日立建機の中国現地法人である日立建機(上海)有限公司は、ミニショベル土木専用機「ZX60C-5A」(標準バケット容量0.21㎥、運転質量5.4t)を、中国市場向けに2020年10月より発売した。

ミニショベル「ZX60C-5A」は、道路工事や農林地の整備などに最適な土木専用機。整地作業に用いるブレード(排土板)を標準装備するなど、道路
工事等の都市土木に最適な仕様・構造を実現した。

また、中国で高い評価を得ている6トンクラスのミニショベル「ZX60-5A」同等の操作性を維持するほ、高効率な油圧システムを採用。エンジンサイズの最適化により燃料消費量を低減した。

さらに、音響設備等の快適装備を後付け可能にし、個客が購入後に自由に選択できる構造にした。

このほか、操作性に直接的な影響が少ない運転室内の機器や、走行装置などの一部の部品は、日立建機の品質基準を満たしたうえで現地調達することで、製品価格を抑えたハイコストパフォーマンス機を実現した。

2020年度で400台の販売を見込んでいる。

日立建機グループはこれからも、中国をはじめ各国・地域の市場ニーズに速やかに対応し、日本とグローバル拠点が連携して、お客さまのニーズに合致した製品開発を進めていきます。

日立建機は、これまでにも中国市場における道路工事などの都市土木をはじめ、農林業、造園、畜産、解体、除雪など、あらゆる用途に対応する油圧ショベルの製品ラインアップを拡充してきた。
昨今の中国市場における都市開発や農地整備などのインフラ整備需要に向け、ミニショベルはアタッチメントを交換せずに、土木作業に使われるケースが多く見受けられるほか、また、作業時間で業務を請け負う個人チャーター業者が増加傾向にあり、個人チャーター業者のニーズに沿ったラインアップの拡充が求められていた。

一方、同社は刻々と変化する個客ニーズや経営環境に速やかに対応するため、2019年4月にマーケティング本部を設立。新興国市場を中心に中国市場をはじめとする各国・地域のニーズを収集・集約し、まず中国市場向けに新たな製品戦略を立案し、中国でミニ・油圧ショベルなどの開発、製造を行う日立建機（中国）有限公司と、日立建機グループのコンパクト事業を担う日立建機ティエラと共に製品開発を進めてきた。
これまで評価されてきた品質や性能を確保しつつ、主に掘削作業で使用し、コストパフォーマンスを求める個人チャーター業者のニーズに対応するため、ミニショベル土木専用機を開発し、2020年2月から50台限定で販売し、テストマーケティングを行っていた。
その結果、購入ユーザーから操作性や燃費性能に高い評価を得ることができたため、量産モデルの販売を決定した。
量産モデルは、農林地の整備や緑化工事、道路工事などの現場でニーズが高かった標準バケット容量のサイズアップとブレード(排土板)を標準装備とすることで、土木専用機としての使い勝手を高めている。