シチズンマシナリーは、主軸台移動形自動旋盤の課題であった残材を解決する「残材削減機能」を搭載した主軸台移動形CNC自動旋盤シンコム「L32」を2020年11月2日から発売する。残材を大幅に削減することで材料コスト削減および環境負荷低減に貢献する。
同機は、2020年11月16日より開催される「JIMTOF2020 Online」に出展する。

主軸台移動形自動旋盤では、材料をつかむ主軸チャック部と、切削点を保持するガイドブッシュ間の材料が切削できずに長く残ってしまう残材が課題となっていた。
新製品の主軸台移動形CNC旋盤シンコム「L32」は、独自に開発した摩擦熱で材料を軟化させ、さらに強い圧力を加えることで材料同士を接合させる「摩擦接合技術」を用い、接合クランプ装置で把持(しっかりと材料がつかまれた状態)された残材と、次に供給される新材を接合させることで残材を消滅させる「残材消滅機能」を搭載した。
機能搭載に合わせ、材料を強固に把持することができる接合クランプ装置により、摩擦接合時に材料滑りのない最適な接合圧力が付加でき、高度な接合品質を実現する。
同機能により、従来の200㎜～300㎜ほどの残材を5分の1程度にまで短縮することが可能となり、材料を最大限に有効活用することで、環境負荷の低減や特に高付加価値材の加工でのコスト削減に大きく貢献する。

「摩擦接合技術」は、JIMTOF2018に参考出展して以来、医療や自動車産業をはじめとするあらゆる分野で大きな反響を得いてきた。
今回、「残材削減機能」として製品化したことで、対応機種の追加やグローバル市場への展開も計画している。

■摩擦接合の原理と特長
●原理
摩擦熱により材料を軟化させ、さらに強い圧力を加えることにより材料同士を接合させる。

●特長
(1)接合部の強度と接合の繰り返し精度が高い。
(2)短時間で接合が完了するため生産性が高い。
(3)材料コストやエネルギー（環境負荷）の低減に貢献できる。

■「L32」 接合クランプ装置仕様
搭載可能モデル　 　L32-1M VIII, L32-1M IX, L32-1M X, L32-1M XII
最大接合径　 　φ25㎜
接合可能最大残材長 　325㎜
チャック形式 　FC925-M
最大チャック耐推力 　10kN
搭載位置 　　　　　 T23 (対向刃物台)

■詳細は同社HP参照　https://cmj.citizen.co.jp/