クボタは、タイなどのアセアン農家向けに営農支援サービスを開発するListenField株式会社（名古屋市中村区、社長：シナショウティラナン・ラサリン氏)に出資した。

クボタは、社外パートナーとの連携によるオープンイノベーションの推進部門として2019年に「イノベーションセンター」を立ち上げた。
スタートアップ企業への出資などを通じ、先進のアグリテック・エコテックや、新たなビジネスモデルへの知見を深め、農業・水環境分野でのソリューション事業の開発を加速させている。
今回、出資したListenField社はソフトウェア開発企業で、個人農家や農業法人向けに、スマートフォンなどで利用できる営農支援サービスを開発する。気象や土壌などのデータ閲覧、農家同士の情報交換のためのチャットツールなど、農業経営に関わる幅広いサービスを同社のプラットフォーム上で提供している。
すでに同サービスは、タイ国内において多数のユーザーを獲得している。
タイは世界有数のコメ輸出量を誇る農業国だが、地理的条件から干ばつや洪水など気象災害を受けやすい地域と言われている。ListenField社は気象や土壌に関する多様なデータを分析し、作物の栽培モデルと、高精度な生育予測アルゴリズムの構築を進めている。これらの技術を活用し、作物の植え付けや収穫作業の最適な時期などをタイなどの農家に提案することで、農業経営の意思決定を手助けすることが可能になる。
クボタにとっても東南アジアは重要な市場と位置付け、クボタとListenField社は、作物収量の大幅な向上と薬剤や肥料などの最適化を実現する画期的なスマート農業技術を共同開発し、タイをはじめとする東南アジア諸国の農家に提供することを目指している。