牧野フライス製作所は、5軸制御立形マシニングセンタ「V100S」を発売した。
同機は、金型の主力需要先の自動車関連市場に応え、生産性向上とオペレータの負担軽減を追求した。

これまで自動車の内外装部品向けの中・大物金型において、「長時間の中仕上げ・仕上げ加工」、「精度調整のためのマニュアル作業」が大きな負担になっていた。
新製品は、生産性向上(スピード)の追求と同時に、オペレータ負担の軽減(マニュアル作業の削減)を両立したもので、これにより中・大物自動車部品向け金型製作の生産性向上ならびにマニュアル作業の負担軽減を実現し、工期短縮に貢献する。

「V100S」は、同社従来機の5軸制御立形マシニングセンタV90Sのワークサイズ(XYZ)が2,200×1,500×700㎜、ワーク積載質量5,000㎏だったのに対し、新製品ではワークサイズ2,000×2,500×1,050㎜、ワーク積載質量15,000㎏と、ワークサイズ でおよそ2倍、ワーク積載質量で約3倍に拡張。これまで自動車用樹脂成型部品向けの金型加工製作で課題だった中仕上げ・仕上げ加工時間の短縮に寄与する。

また、複雑形状をより効率的に加工可能な独自の回転・傾斜軸とコンパクトな主軸の採用により、さらに高速・高面品位を実現した。
しかも、スラント構造を有する同機は、特異点通過時に急激な回転動作が発生し辛いため、なめらかな同時5軸動作を実現可能にした。

さらに、操作面では大きな金型でもクレーンを用い、容易にテーブル上へ設置できる機械設計が採用されており、中・大物重量ワークの段取性向上にも配慮している。

販売価格(国内定価)は、89,000,000円(税別)。
出荷開始時期は、2021年8月。
同社は、年間45台の販売を見込んでいる。

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