日本鍛圧機械工業会
MF技術大賞2020-2021受賞製品!
一般社団法人日本鍛圧機械工業会は、このほどMF技術大賞2020-2021の受賞製品を発表した。

6回目の表彰となる今回は、「連続生産システムによる長短尺装柱固定バンドの製造」(受賞企業:アマダ、アマダプレスシステム、内田鍛工、藤井製作所)がMF技術大賞を受賞した。
同技術は、配電線路装柱用品に用いられ、多段設定送りとランダム金型の制御を可能にした自動演算システム機能を有する送り装
置と1台のプレスのボルスターエリア内での左右移動から前後移動への型内搬送装置を組み込むことで15品種の製品を今までプレス機3台(11金型)と溶接機4台のライン生産から、プレス機1台(3金型)での生産に集約した。これにより、設備の設置スペースにおいて大幅(73%)な削減と金型段取り時間の大幅(67%な短縮を可能にした。また、溶接工程をプレス金型内でのTOXカシメに変更したことでトータル消費電力の78%低減、CO2排出量の大幅な低減を達成し、地球環境にも貢献した点が評価された。

また、MF技術優秀賞には「プレス多工程鍛造による高難度ローレット部品の製造」(受賞企業:アイダエンジニアリング、太陽工業)
と、「高効率加工ラインによるガスカートリッジの製造」(受賞企業:コマツ産機、日本炭酸瓦斯、ユタニ、藤堂工業)が受賞した。
「プレス多工程鍛造による高難度ローレット部品の製造」は、自動車用シートベルトのリトラクター部分のクラッチ製造に用いる技術で、従来は金属粉末の焼結で製作されていた同部品を20工程以上の多工程鍛造により完成品より薄い鋼材ブランク材を増肉成形させることで材料歩留まりを向上させトータル製品コストで 26%低減した。

また、プレスのフレーム剛性によるスライド垂直高精度・動的高精度により、高せん断面率のローレット形状の高精度せん断加工を可能にした点が評価された。
「高効率加工ラインによるガスカートリッジの製造」は、汎用ミニガスカートリッジの製造に用いる技術で、3次元ロボット搬送により工程間での成形品搬送時の搬送ミスをなくし、また絞り成形金型の個別芯調整方式からダイセット方式に変えたことにより既存の生産ラインの課題であった稼働中の停止頻度の低減と段取り時間を短縮することでトータルコストダウンを達成することができた点が評価された。
表彰式は2021年5月18日(火)午後3時から東京・芝パークホテルで執り行うほか、受賞鍛圧機械と受賞加工製品を2021年11月29日(月)~12月3日(金)に開催を予定している「MF-TOKYO 2021 Online」において、世界に誇る鍛圧塑性加工技術の最先端として紹介する。

MF技術大賞は、鍛圧機械を使った鍛圧塑性加工技術の実力を高め、MF(Metal Forming)に不可欠な鍛圧機械、製品加工、金型、システム、素材、組立、研究の7要素を組み合わせた「ものづくり総合力」を顕彰し、トータルでエコな製品製作の成果を発信し、川上から川下までの鍛圧塑性加工技術の発展に寄与することを目指している。

※一般社団法人日本鍛圧機械工業会URL↓ https://www.j-fma.or.jp※MF Tokyo 2021 Online↓ http://www.mf-tokyo.jp

TOP