三菱電機は、総務省から第5世代移動通信システム(5G)のローカル5G免許を取得し、情報技術総合研究所構内に顧客やパートナー企業と共同研究や実証実験を行う「5G OPEN INNOVATION LabTM(5G オープンイノベーションラボ)」を6月30日開設した。

5G OPEN INNOVATION Labは、三菱電機 情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市大船5丁目1の1)に開設。延床面積は132㎡、使用周波数は4.8GHz～4.9GHz。
事業課題やビジネスアイデアを持つ顧客やパートナー企業に対して、実証アイデアや対応ソリューションの検討を初期段階から支援するとともに、同ラボのローカル5G環境を活用した共同研究や実証実験を実施する。
ローカル5Gと他の無線方式(Wi-Fi6およびプライベートLTE)の比較検証ができ、アプリケーションや用途に応じた最適な通信手段の見極めを可能にする。

総務省は企業や自治体で利用可能な5G を「ローカル5G」として2019年12月に制度化し、2020年12月には広い通信エリアの構築が可能で利便性が高いSub-6(サブシックス：6GHz帯未満の4.6GHzから4.9GHz)を追加した。Sub-6の追加により、ローカル5Gを活用したソリューションの利用環境が整い、今後の市場拡大が見込まれている。
同社は、2020年5月に名古屋製作所(愛知県名古屋市)においてミリ波帯を用いたローカル5Gの実証実験を開始し、製造現場への適用を検証してきた。今回、「5G OPEN INNOVATION Lab」ではSub-6のうち4.8GHzから4.9GHzの周波数を活用し、顧客やパートナー企業との共同研究や実証実験を実施し、新たなビジネスやサービスの創出を目指していく。
「5G OPEN INNOVATION Lab」を利用する顧客やパートナー企業は、同社が提供するアプリケーションの活用に加え、自社のアプリケーションを持ち込み、他の無線方式(Wi-Fi6およびプライベートLTE)との比較を行いながら、ビジネスソリューションの実証を可能にする。

同社は、ローカル5Gシステムと自社製品を組み合わせた、ワンストップで構築・提供できるソリューションの開発を進め、顧客やパートナー企業との連携による新たなビジネスやサービスの創出を目指していく。
また、ローカル5Gのユースケースの検討に加え、5Gを活用した移動ロボットの自動制御・遠隔制御などの幅広い実証実験を行っていく。