神戸製鋼所
ロシアMIDREX® HBIプラント新規受注
米国の神戸製鋼所100%子会社であるMidrex Technologies, Inc.(ミドレックス社)と、Primetals Technologies, Limited(プライメタルズ社)のコンソーシアムは、このほど、ロシアのMetalloinvest MC LLC(メタロインベスト社)よりLebedinsky GOK(LGOK)向けにMIDREX®プロセスのHBI(※)プラントを受注した。
本プラントは、メタロインベスト社がロシアのベルゴルド州グブキンに新設するもの。最新技術を用いた設計により、MIDREX®プロセスによるHBI生産能力は世界最大となる年産208万トンを確保しつつ、エネルギー消費量と環境負荷も低減できるのが本プラント特長。また、将来的に使用する還元材を水素へ完全に移行することも視野に入れた設計となっている。

ミドレックス社は今年の3月にも同メタロインベスト社の傘下であるMikhailovsky HBI LLC(ミハイロフスキー社)により、今回と同規模のMIDREX® HBIプラントを受注している。
また、LGOK向けにはMIDREX®HBIプラントを2007年、2017年にも納入しており、今回が3基目となる。
工場稼働は 2025年を予定。ミドレックス社とプライメタルズ社は機械・電気機器、鋼構造物、配管、ダクト等のエンジニアリングと供給、操業のトレーニングとアドバイザリーサービスを担う。別途選定される建設業者と連携しながらプロジェクトを推進する計画。

MIDREX®プロセスは、天然ガスを使った還元鉄製鉄法であり、世界の還元鉄生産の約80%(天然ガスベースの直接還元鉄)を占めるリーディングプロセス。同方式は、天然ガスを改質した水素リッチガスを還元材として、鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用しシャフト炉によって還元し、還元鉄を製造する。
高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を20~40%削減(「還元鉄・電炉」と「高炉・転炉」の比較)できることなどが特長で、世界で 80基以上が稼動している。

また、MIDREX®プロセスは、経済的・大規模な水素利用が可能になれば、大きな設備改造なくカーボンニュートラルへの対応が可能という特長を持つ。
カーボンニュートラルへの移行や社会変革がグローバルで明確な潮流となっている中、KOBELCOグループは MIDREX®プロセスを
通じて、世界の鉄鋼業におけるカーボンニュートラル達成に向けた、CO2削減ソリューションを提供していく。

※HBI(Hot Briquetted Iron:熱間成形還元鉄)
還元鉄は鉄鉱石を還元した鉄鋼原料であるが、HBIは長距離輸送を目的に還元炉より排出された高温の還元鉄をある程度の大きさの塊(Briquette)に押し固めたもの(写真中央棒状のもの)。
還元鉄は不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、電気炉で(近年は高炉や転炉でも)鉄源として使用される。

■Midrex Technologies, Inc.概要
設 立 : 1983 年(買収)
所 在 地 : 米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代 表 者 : 社長・CEO Stephen Montague
■Primetals Technologies, Limited 概要
設 立 : 2015 年
所 在 地 : 英国 ロンドン
代 表 者 : CEO Satoru Iijima (飯島 悟)
■Metalloinvest MC LLC 概要
設 立 : 1999 年
所 在 地 : ロシア モスクワ
代 表 者 : CEO Nazim Efendiev



TOP