三菱マテリアル
U-MAPとセラミックス回路基板の共同開発に着手
三菱マテリアルは、国立大学法人名古屋大学発の素材ベンチャーである株式会社U-MAPを開発パートナーとして、新しいパワーモジュール用窒化アルミニウム(AlN)セラミックス回路基板の共同開発を開始した。

近年、自動車においては電動化が加速しており、車両の電動駆動制御に使用されるパワーモジュールの急速な需要拡大が見込まれるほか、また、産業機器や再生可能エネルギー利用に関しても、パワーモジュール市場の成長が見込まれている。
こうした状況下、パワーモジュールの小型化や高出力密度化が進みつつあり、そのキーマテリアルであるセラミックス回路基板においても、これまで以上に高い放熱性と信頼性が求められている。

三菱マテリアルは、これまで金属とセラミックスなどの異種材料接合技術における強みを活かし、高い信頼性を有した絶縁回路基板を提供してきた。
一方、U-MAPは、同社の独自素材であるThermalniteを添加することで、 AlNセラミックス板にこれまでにない高い熱伝導率と高い機械特性を発現できることを新たに見出している。
今回、両社の技術を融合することで、現在、パワーモジュールの分野において広く使用されている「Si3N4セラミックス回路基板」以上に高い放熱性と信頼性を有する高性能な「AlNセラミックス回路基板」の開発を目指していく。実用化されれば、パワーモジュールの小型化や高出力密度化への貢献が期待される。
また、放熱性の向上に伴い、パワーモジュールに使用される他の部品・素材の小型化なども可能となり、コストダウンにもつながる。

三菱マテリアルは、中期経営戦略において「次世代自動車、IoT・AI、クリーンエネルギー、都市資源リサイクル」をはじめとする社会ニーズにいち早く対応するために、国内外の最先端技術を取り入れた技術開発を積極的に行っている。
今回の新しい「AlNセラミックス回路基板」の開発は、その具体的施策の一つで、高い素材開発技術を有するU-MAPと協働することで、新製品・新事業の創出を図っていく。



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