三菱電機
日鉄エンジニアリングと「オゾン可溶化反応装置」開発
三菱電機と日鉄エンジニアリングは、下水汚泥に含まれる微生物を主体とする難分解成分をオゾンガスで効率的に溶かす「オゾン可溶化反応装置」を開発し、日本下水道新技術機構の建築技術審査証明を取得した。

オゾン可溶化は、気体状または水に溶解したオゾンが下水汚泥に接触すると、下水汚泥中の微生物を覆う有機性物質や微生物の細胞壁を酸化分解する。オゾンは有機物との酸化分解力が高いため、消化槽では分解しにくい難分解性成分も分解することができる。

同装置は特殊な攪拌(かくはん)翼を用い、下水汚泥に注入した高濃度オゾンの気泡を微細化して均一に分散させる撹拌技術で、撹拌技術と高濃度オゾンの適用により、散気による一般的なオゾン処理ではオゾン消費率30%以下だった濃縮余剰汚泥をオゾン消費率80%以上で可溶化する。
可溶化した濃縮余剰汚泥の利用で、分解時に発生するバイオガスの従来比22%増産を確認した。濃縮余剰汚泥の可溶化により消化槽における下水汚泥の分解を促進し、廃棄汚泥の削減に貢献する。
既設の下水処理場に本装置を容易に設置でき、大規模システムの新規構築を不要にする。

両社は今後、実証試験で得た知見を基に実用化を目指すとともに、下水処理場におけるさらなるバイオマスの有効利用に向けて開発を進めていく。



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