三菱マテリアル
連結子会社(特定子会社)の異動
三菱マテリアルは、連結子会社(特定子会社)であるインドネシア・カパー・スメルティング(PT.Smelting(PTS 社))について、その銅精鉱処理能力を拡張すること(拡張工事)、拡張工事に掛かる諸費用の全額について共同出資先であるPT Freeport Indonesia(PTFI 社)からPTS社が融資を受け、拡張工事の完工を条件として、当該借入額を簿価純資産方式でPTS社の新株に転換(増資)すること等についてPTFI社と合意し、25日開催の取締役会においてPTFI社と関連契約を締結することを決議した。これにより、拡張工事の完工及び PTS社の増資の完了後、PTS社は三菱マテリアルの連結子会社から持分法適用関連会社に異動する見込みとなる。
また、PTS社の運営方法について、2023年以降、PTFI社から銅精鉱の製錬を受託する方法(受託製錬)に変更することとした。

PTS 社は、1996年の設立以来、三菱マテリアルグループの東南アジアの重要拠点、かつインドネシア唯一の銅製錬所として、同国や東南アジア諸国に高品質の電気銅を安定的に供給してきた。
インドネシアにおいては、2009年に施行された新鉱業法により、鉱山会社に鉱物の高付加価値化が義務付けられており、PTS社についても、PTFI社が運営するGrasberg鉱山の付属製錬所としての側面が強くなりつつある。
こうした状況を踏まえ、三菱マテリアルは、PTS社についてPTFI社と協議を行ってきた。
その結果、①鉱物の高付加価値化の一環として、PTS 社の拡張工事を行うこと、②拡張工事に掛かる費用については、PTS社は全額をPTFI社から融資を受けて調達すること、③拡張工事の完工を条件として、PTFI社からPTS社への融資額全額を簿価純資産方式でPTS社の新株に転換(増資)することなどについてPTFI社との間で合意に至り、これらに関連する契約を締結することについて、本日
開催の取締役会において決議した。これにより、拡張工事が完工し、PTS社の増資の完了(2024年前半を予定)をもって、PTS社は三菱マテリアルの連結子会社(特定子会社)から持分法適用関連会社に異動する。

■拡張工事の概要は次のとおり。
〈年間銅精鉱処理量〉
現行の1.0百万dmtから1.3百万dmtに増強。
〈年間電気銅生産能力〉
現行の300千mtから342千mtに増強。
〈拡張工事費用〉
約250百万米ドル(現時点の見込み)。
〈工期〉
2021年12月より順次発注、2023年12月末に完工予定。
〈工事期間中の操業〉
拡張工事と並行して既存設備による操業を継続。但し、2023年前半に2.5か月間ほど既存設備の操業を停止する計画。

■PTS 社の運営方法の変更について
拡張工事に関する協議と並行して、今後のPTS社の運営方法についてPTFI社と協議した結果、2023年より、PTS社の運営方法を変更することとした。
現在、PTS社は、鉱山会社から銅精鉱を購入した上で、電気銅、スライム、その他副産品を生産し、それらを顧客に販売することで利益を得ている。運営方法の変更後は、PTFI社のみから銅精鉱の製錬の委託を受ける(受託製錬)こととなる。これにより、PTS社で製錬を行う銅精鉱中の銅金銀の所有権は、製錬中の期間を含めてPTFI社に帰属することになり、PTS社によって生産された電気銅・スライム・その他副産品は全てPTFI社に返還される一方、PTS社は対価として受託製錬費を得ることとなる。
なお、PTS社の受託製錬化後も、三菱マテリアルは、20年以上にわたるPTS社の操業経験を活かして、インドネシアに新設する子会社を通じてPTS社の操業を担い、かつ、受託製錬によりPTFI社へ返還された電気銅の販売活動にも携わることで、PTS社の事業遂行には、従前同様深く関与していく。




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