神戸製鋼所
2022年度新入社員249名入社
神戸製鋼所は、2022年度新たに249名が入社した。
今年度採用したのは、総合職が74名。このうち事務系が20(3)名、技術系が54名。また、基幹職は175名の計249名を採用した。

同社は、多様な背景や価値観を持つ人たちが職場で十分に力を発揮することが、組織全体の成長力の向上につながると考え、ダイバーシティ推進を重要な経営課題の一つに位置づけている。その取組みの一環として、女性の更なる活躍推進のため、2016年度採用より女性の採用目標を掲げており、昨年度から、より一層高い目標として「新卒総合職のうち事務系50%・技術系15%、基幹職技能系のうち15%」と定めている。今年度は、事務系7名(約35%)・技術系3名(約6%)、基幹職技能系13名(約8%)、計23名の女性を採用した。



☆以下は、神戸製鋼所 山口 貢社長の2022年度新入社員へのメッセージ(※広報より)

『皆さん、入社おめでとうございます。皆さんの入社にあたり、会社を代表してお祝いの言葉を差し上げたいと思います。

本日、神戸製鋼は、249名の無限の可能性を持った皆さんを新しい仲間として迎え入れることになりました。心より歓迎します。
新たなスタートを迎え、皆さんの胸には新生活に対する期待や不安など、さまざまな気持ちが入り混じっているものと思います。
40年以上も前になりますが、わたし自身の入社時を振り返ってみても、新たな土地で新たな生活を始めるにあたり、とても不安ではありましたが、同時に、学生から社会人となる自覚が湧いてきたことを思い出します。

さて、コロナ禍に入って2年が経過しました。皆さんは学生生活の多くの期間をコロナ下で過ごされたことと思います。これを「不自由な2年間であった」「不毛な2年間であった」と捉えるか、「デジタルツールなどを駆使して勉学に励んだ2年間であった」「工夫して色んな活動に取り組んだ2年間であった」と捉えるかで、今後の人生が大きく変わってくると思います。
当社グループも、コロナ禍を契機として、働き方や取引先との接触方法などさまざまな変化が求められ、従来からの慣習や方法に捉われない柔軟な対応を行って来ました。
特に、サステナビリティが、社会にとって、また企業にとっても今後を考える上でのキーワードとなっています。例えば、地球環境や気候変動に対する社会の関心が急速に高まって来ており、企業の果たすべき役割が急速に多様化し、何事も地球規模で考えなければならない時代になってきています。このように、世の中が大きく変わろうとしている時ですので、それを危機と捉えるか、或いはチャンスと捉えるかが重要です。わたしは、ここに新たなビジネスチャンスがあると考えています。
当社グループは、素材系事業、機械系事業、そして電力事業と、多様な事業を展開する世界でも稀有な企業体です。多様な事業を有するということは、多様な技術・人材・マーケットを有しているということであり、それらを掛け合わせた総合力を発揮することで、グリーン社会の実現など、社会課題の解決に貢献し、新たな価値を生み出す可能性が大いにあると信じています。

さて、当社グループは、大正時代に日本一の売上規模を誇った鈴木商店の製鋼部門として1905年に創業して以来、100年以上に亘り、数々の困難に見舞われながらも事業を発展させ、社会への貢献を続けてきました。そして、次の100年も持続的に発展し、「誇り・自信・愛着・希望」を実感できる企業になることを目指し、2017年から「Next100プロジェクト」活動を展開しています。この活動を展開する中で、2020年に新たなグループ企業理念を制定しました。この理念の中で、KOBELCOが実現したい未来として、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」と定め、また、KOBELCOの使命・存在意義として、「個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづける」と定めました。これらは当社グループが目指すべき方向性を示し、判断の拠りどころとなるものです。また、実現したい未来の達成や使命・存在意義を果たすための社員一人ひとりの行動の指針として、「KOBELCOの3つの約束・6つの誓い」も定めています。
本日は、これから皆さんが業務に取り組む上で意識して欲しい約束事として、「KOBELCOの3つの約束」を紹介します。

1つ目は、「信頼される技術、製品、サービスを提供する」という約束です。企業は信頼が全てであることをわたしたちは身をもって痛感しました。社会やお客様からの信頼を得てはじめて企業存続への道が開かれます。信頼は、単に時間の経過と共に回復したり醸成されたりするものではありません。信頼を得るために自身が為すべきことは何かを常に自問自答し、それを実践へと移すことが重要です。
2つ目は、「社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊ぶ(たっとぶ)」という約束です。多様な価値観や働き方を尊重し、個性を生かし、チームワークを大切にするという当社グループに根付いている風土をこれからも大切にしていきます。
3つ目は、「たゆまぬ変革により、新たな価値を創造する」という約束です。デジタルトランスフォーメーションなどの技術革新や持続可能社会の実現に向けた取り組みが活発化するなど、当社グループを取り巻く事業環境は急速に変化しています。この変化に対応するには、皆さんの若い力が必要です。フレッシュな感性と柔軟な思考で、時代の変化を読み、感じたことを発信し、それぞれの分野で変革を起こしてくれることを期待しています。
本日から当社グループの一員となられた皆さんには、このグループ企業理念をしっかりと理解し、行動して下さい。これらを胸に刻み込み、次の100年の歴史を創り上げる、という自負を持って、仕事に取り組んでもらいたいと思います。

最後に、自分の経験も踏まえ、わたしから2つの言葉を贈りたいと思います。
1つ目は、「目線は高く、但し現実には謙虚であれ」です。わたしが若手社員の頃に当時の上司から言われた言葉です。これから皆さんが各職場で働き始めると、日々の業務に追われ、仕事が面白くないと感じることが出てくるかもしれません。そんな時、自分の目標や理想を高く持っていると、何のためにその仕事をしているのか、何に向かって努力しているのかを思い出し、自ずと行動が変わります。そして、業務に対する見方が変わります。但し、理想を追い求めるだけではダメです。地に足をつけ、しっかりと現実を見ることも重要になります。
2つ目は、「仕事はコミュニケーションの積み重ねである」です。これはわたしが社長メッセージや社員との対話会などを通じて言い続けていることです。どんな仕事でも1人で完結できるものはありません。言い方を変えれば、コミュニケーション無くして仕事は成り立ちません。周囲とのコミュニケーションの質を上げ、コミュニケーションの量を増やすことが、仕事の効率を高め、相互理解を促進し、より良い成果を上げることに繋がります。例えば、分からないことが出てきた時、自分なりの考えを持ちつつも上司や同期に相談してみると、異なる視点からの気づきが得られる場合もあるでしょう。こうしたコミュニケーションの積み重ねが好循環を生み出し、当社グループの組織や風土の礎を成していくものと信じています。先にも述べました通り、当社グループは、「素材系事業・機械系事業・電力事業」と、多岐に亘る事業をグローバルに展開しており、世界中の産業や市民生活に欠かすことのできない様々な技術・製品・サービスを提供しています。これから皆さんは、その広いフィールドの中で、それぞれの役割を担い、活躍して貰う訳ですが、世界中のどこの職場においても、どんなシチュエーションにおいても、時々この2つの言葉を思い出してみて下さい。きっと役に立つと思います。皆さんはこれからどこの部署に配属されても、どんな職種に就いても、社会課題の解決に繋がる業務に携わることになります。当社グループが取り組む社会課題には、一つの部門だけで完結できるものばかりではなく、多くの部門や部署が各々の専門性を発揮し、横断的に取り組むべきものが沢山あります。皆さんにも、これまで学んできたことやこれから学ぶことを活かし、共有しながら業務に従事して頂きたいと思います。皆さんが持てる力を存分に発揮し、いきいきと活躍できるように「職場環境を整え」「働きやすい職場風土を醸成する努力」をわたしは怠りません。是非、皆さんの中に充満するエネルギーやアイデアを目いっぱい発揮して下さい。そして一緒に当社グループを盛り立てていきましょう。
皆さんの入社を心から祝福し、わたしからの歓迎の挨拶に代えさせて頂きます。』

(※資料提供:神戸製鋼所)

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