神戸製鋼所
ベトナムに銅板条の新会社設立
神戸製鋼所は、このほどベトナム北部のハナム省に、全額出資の電子材料用銅板条のスリット(条切り)加工・販売および技術サービスを行う新会社「Kobelco Copper Alloy Vietnam Co., Ltd.」を設立した。資本金は約1,350億ドンで、本年秋頃より工場建設に着手し、2024年春頃から稼働開始を予定している。

同社の銅圧延事業は、電子材料用(自動車用途を中心とした端子・コネクター用および半導体リードフレーム用の総称)に特化している。CASE(※1)の進展、特に自動運転とEVの進展に伴う自動車電装化の高まりにより、自動車用端子においては、その小型化や大電流化が進んできている。同社の銅板条には、こうしたニーズにも対応すべく、独自に開発・改良した高性能銅合金、高性能な表面処理(めっき加工)を提供しており、好評を得ている。

神戸製鋼所はこの約20年の間、スリット加工・販売を行う拠点として、「Kobelco Electronics Material(Thailand)Co., Ltd(タイ)」「蘇州神鋼電子材料有限公司(中国)」を設立し、同社の長府製造所(山口県下関市)で製造した電子材料用銅板条の供給体制を拡充してきた。これまで、ベトナムのユーザーへは同社の各製造拠点より、スリット加工済み製品を提供していたが、ベトナムにおける需要のさらなる拡大が見込まれることから、新たに現地にスリット加工・販売拠点を設立することを決定した。

設備稼働後は、長府製造所で製造したマスターコイル(広幅コイル)をベトナムに在庫し、要求寸法に応じたスリット加工を実施する。ユーザーへ製品をタイムリーに納入することにより、需要の増加に迅速かつ柔軟に対応する。
また、現地での技術サービス機能を兼ね備えることで、さまざまな要望にも応えていく。

■新会社の概要
社名:Kobelco Copper Alloy Vietnam Co., Ltd.
代表者:大橋泰之(素形材事業部門 銅板ユニット長)
事業内容:電子材料用銅板材のスリット加工・販売及び技術サービス
所在地:ベトナム ハナム省 ドゥイティエンタウン ホアンドン区 ドンバンⅢ裾野工業団地
資本金:約1,350億ドン(神戸製鋼所全額出資)
従業員:30名程度(稼働開始時)
設立時期:2022年4月
設備稼働:2024年春を予定
生産能力:スリット処理量約400トン/月

◇用語の解説
※1:CASE
Connected:コネクテッド」「Autonomous:自動運転」「Shared & Service:シェアリング・サービス」「Electric:電動化」の頭文字をもとにした造語。


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