三菱電機・大阪大学
深紫外レーザーの発明が「未来創造発明奨励賞」受賞
三菱電機・大阪大学は、令和4年度全国発明表彰(主催:公益社団法人 発明協会)において、深紫外レーザーの発明が令和4年度 全国発明表彰「未来創造発明奨励賞」受賞した。大阪大学は4年連続の受賞、三菱電機は2年ぶりの受賞となる。

深紫外レーザーの発明は、非線形光学結晶CsLiB6O10(CLBO)の光学特性を向上させ、半導体の検査やレーザー加工に用いられる深紫外レーザー装置の実現に貢献する。
結晶中の水不純物を熱処理と湿度の制御を組み合わせて低減させることにより、深紫外レーザー光の出力特性が大幅に改善し、レーザー光源が安定化する現象を発見した。その後、特許の技術指導や国内の結晶製造企業へのライセンス活動を通し、深紫外レーザーを搭載した半導体検査装置の世界的な普及につながった。深紫外光は材料を分解する能力が高いため、ガラスなどの透明材料や溶融温度が異なる材質で構成される複合材料などの難加工材に対する高品質の微細加工も可能になるなど、次世代深紫外レーザー加工技術への応用も期待されている。

大阪大学で発見していた非線形光学結晶CLBOは、波長300nm以下の深紫外光の波長変換特性に優れているが、出力の飽和やビームの変形などが生じる課題があった。結晶内部の水不純物を熱処理と湿度の制御によって低減する技術を開発し、三菱電機が開発していた深紫外レーザー光源に応用することで、出力特性が大幅に改善し、レーザービームの歪みも抑制できた。

■「未来創造発明奨励賞」受賞者
吉村 政志氏 (国立大学法人大阪大学 レーザー科学研究所 教授)
森 勇介氏 (国立大学法人大阪大学 大学院工学研究科 教授)
西岡 志行氏 (住電半導体材料株式会社 製造部 伊丹結晶生産技術課 主席、元 国立大学法人大阪大学 大学院工学研究科)
桂 智毅氏 (三菱電機株式会社 産業メカトロニクス製作所 主席技師長)
小島 哲夫氏 (三菱電機株式会社 ビジネスイノベーション・DX 戦略室 担当部長)
西前 順一氏 (三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 主席研究員)


TOP