神戸製鋼所
製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト本格開始
神戸製鋼所、日本製鉄、JFEスチール、一般財団法人金属系材料研究開発センターの4社は、コンソーシアムを結成し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション(GI)基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に採択され、2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みを推進している。
6月15日、4社のコンソーシアム委員による第1回水素製鉄委員会を開催し、今後のグリーンイノベーション基金事業にかかわる開発計画を協議したほか、4社間の協力強化と開発活動の促進を確認した。併せて、各社が担当する研究開発設備の具体的な建設計画について報告を行い、既実施分も含め、今後、着実に実行する。

第1回水素製鉄委員会には、委員長の佐藤 直樹氏(日本製鉄 副社長)、副委員長の福島 裕法氏(JFE スチール 副社長)、委員の坂本 浩一 氏(神戸製鋼所 執行役員)、委員の小紫 正樹氏(一般財団法人 金属系材料研究開発センター専務理事)、プロジェクトリーダーの野村 誠治氏(日本製鉄フェロー 先端技術研究所長)、副プロジェクトリーダーの渡辺 隆志氏(JFEスチール 技術企画部長)ら4社のコンソーシアム委員が出席。 「研究開発項目1」の高炉を用いた水素還元技術の開発、「研究開発項目2」の水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発など、各テーマの研究開発設備建設計画が報告された。

「研究開発項目1」の高炉を用いた水素還元技術の開発では、①所内水素を活用した水素還元技術等の開発について、日本製鉄 東日本製鉄所君津地区第二高炉において常温水素系ガス吹込み設備を導入し、2025年度下期実機検証開始予定。
②外部水素や高炉排ガスに含まれるCO₂を活用した低炭素化技術等の開発について(製鉄プロセスからCO₂排出50%以上削減を実現する技術)、日本製鉄 東日本製鉄所君津地区において試験高炉改造、2022年5月試験を開始。JFEスチール 東日本製鉄所千葉地区において小型カーボンリサイクル試験高炉(150㎥規模)建設、2025年4月試験開始を予定している。

また、「研究開発項目2」の水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発では、①直接水素還元技術の開発(※)について(高炉法と比較してCO₂排出50%以上削減を達成する技術)、日本製鉄 波崎研究開発センターにおいて小規模試験シャフト炉(1t/hr)を建設、2025年度試験開始を予定。JFEスチール 東日本製鉄所千葉地区において小型ベンチ試験炉を建設、2024年度試験開始を予定している。
(※):この直接水素還元技術の開発は、日本製鉄、JFEスチール、JRCMの3社で実施する。

さらに、②直接還元鉄を活用した電炉の不純物除去技術開発について(大規模試験電炉において不純物の濃度を高炉法並みに制御する技術)、日本製鉄 波崎研究開発センターにおいて小型試験電気炉(10t)を建設、2024年度試験開始を予定。また、JFEスチール 東日本製鉄所千葉地区において小型試験電気炉(10t)を建設、2024年度試験開始を予定するほか、神戸製鋼所 高砂製作所において小型商用炉(20t)を改造、2022年度試験開始を予定している。

今後も4社は協力し、グリーイノベーション基金事業に関わる技術開発を促進し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強力に推進し、各プロジェクトについては可能な限り前倒しを検討、実施していく。

◇詳細については、経済産業省「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトに関する研究開発・社会実行計画を参照↓
https://www.meti.go.jp/press/2021/09/20210914002/20210914002-2.pdf◇詳細はNEDO公表の資料を参照↓
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101503.html
(資料提供:神戸製鋼所)

■写真はコンソーシアムメンバー
(左から坂本氏、佐藤氏、野村氏、渡辺氏、福島氏、小紫氏)


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