三菱電機
第57回(令和4年度)機械振興賞受賞
三菱電機は、一般財団法人 機械振興協会主催の第57回(令和4年度)機械振興賞において、「霜取りに冷媒の凝縮潜熱を活用した寒冷地向けノンストップ暖房技術」が、「機械振興協会会長賞」を受賞した。受賞式は、2023年2月21日(火)東京プリンスホテルで行われる。

機械振興賞は、優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械産業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者を表彰することで、わが国の機械産業の振興に資することを目的とした一般財団法人 機械振興協会が主催する制度。

北海道や東北などの国内寒冷地では、省エネ性の観点から、従来主流であった燃焼式の暖房機器からヒートポンプ技術を活用した空調機への切り替えが進んでいる。ヒートポンプ技術を活用した空調機は、室外機の熱交換器に付着した霜を溶かすために、室内の暖房運転を一時停止して霜取り運転を行う必要があり、これを回避する技術として、室外機の熱交換器を上下に分け、交互に霜取りを行いながら暖房運転を継続するノンストップ暖房技術が実用化されている。
しかし、霜取りに多くの冷媒流量が必要となり、暖房運転に十分な冷媒流量を供給できずに温風温度が低下するという課題があった。

三菱電機が開発した寒冷地向けのノンストップ暖房技術は、ガス冷媒が液体に凝縮される際に放出する熱(凝縮潜熱)を霜取りに活用する技術で、圧縮機から送り出される冷媒の一部で室外熱交換器の半分を霜取りし、残りの冷媒で室内の暖房を継続する。これにより、ガス冷媒の温度変化を利用する従来方式と比較して、霜取りに必要な冷媒流量を6分の1に抑制でき、多くの冷媒を暖房に使用できる。
また、霜取りに使用した冷媒を暖房運転している熱交換器側に合流させ再利用することで、無駄なく外気から熱を取り込むことができる。
今回の開発技術と霜取り中にも室内の温風温度が低下しない快適性を実現したことが高く評価された。



(※資料提供:三菱電機)


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