三菱電機
統合型系統安定化システム受注
三菱電機は、このほど北海道電力ネットワークから、統合型系統安定化システム(IRAS:Integrated Remedial Action Scheme)を受注した。
同システムは、大規模停電を回避し、北海道地域への安定した電力供給に貢献する。

平成30年に発生した北海道胆振東部地震では、複数の電力系統事故が時間差で発生したことなどにより、北海道全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生した。これを受けて、北海道地域の送配電事業などを担う北海道電力ネットワークでは地域の電力系統のレジリエンス強化を推進している。

三菱電機の統合型系統安定化システム(IRAS)は、電力系統の事故を瞬時に検知し、必要に応じ高速で制御を実施することでブラックアウトを防止する。三菱電機は北海道電力ネットワークに対し、中央演算装置の複数拠点化、リング通信、リアルタイム演算制御技術などを適用した高い信頼性と拡張性を実現する同社システムを提案した結果、今回の受注に至った。システムの運用開始は2024年3月を予定している。

世界的にカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが加速する中、気象条件などの影響を受けやすい再生可能エネルギーの拡大などに伴い、世界各地で電力系統システムの複雑化と高度化が進んでいる。三菱電機は、今後も国内外のさまざまな地域で電力系統の安定化を支援し、多くの人々が安心して電気を使える安心で安全な社会の実現に貢献する。

■システムの特長
(1)中央演算装置の複数拠点化とリング通信の適用により、災害時にも運用継続可能。
◇システムの司令塔である中央演算装置を、地理的に離れた2拠点に設置することで、一方が地震等の災害により不能となった場合でも、もう一方で運用継続が可能で、システムの高い信頼性を確保。
◇各装置の間の通信路には、複数のリング状に構成したリング通信を適用し、北海道エリア全体の通信路のスリム化や通信路異常時の代替性、将来の装置増設を容易にするシステム拡張性を実現。

(2)リアルタイム制御演算技術により、時間差で発生する複数の系統事故や想定困難な不安定現象にも対応。
◇再生可能エネルギー電源の電力系統からの脱落など、さまざまな系統事故に即時対応可能なリアルタイム制御演算機能を実装。
◇複数の電力系統事故が時間差で発生した場合も、各々の事故に対して高速な制御を実施することで大規模停電回避に貢献。

(※資料提供:三菱電機)


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