神戸製鋼所
ミドレックス社が40周年
神戸製鋼所の米国100%子会社であるMidrex Technologies, Inc. (以下ミドレックス社)が、KOBELCOグループの一員となってから、今年で40年を迎えた。
これを記念して、ミドレックス社では、9月19日にノースカロライナ州シャーロット市で式典を開催した。
式典には、神戸製鋼所の山口 貢社長、米国統括会社であるKobe Steel USA Inc.の上野 弘太郎社長、ミドレックス社のウィンストン・テニス元社長とジム・マクラスキー元社長が招かれ、社員とともに40周年を祝った。

山口社長は「ミドレックス社と神戸製鋼所は共通の目標を持ち、信頼関係で結ばれている。市場がより複雑になるにつれて、この健全な関係はますます重要になるだろう」と述べた。これに対し、ミドレックス社のスティーブン・モンタギューCEOも同意する意見を述べ、また、ウィンストン・テニス元社長は神戸製鋼所が長期的な視点を持ち、ミドレックス社の経営陣と従業員を信頼してくれたとして、謝辞を述べた。

MIDREX🄬プロセスは、世界の還元鉄生産量の約80%(天然ガスベースの直接還元鉄)を占める直接還元法のリーディングプロセス。神戸製鋼は、天然ガスを改質したガス(CO+H2)を還元剤とするMIDREX NGTM(※1)、天然ガスを水素に柔軟に置き換えることが出来るMIDREX FlexTM(※2)、100%水素を還元剤とするMIDREX H2TM(※3)という3つのプロセスを保有しており、神戸製鋼所及びミドレックス社はこれらプロセスの提供を通じ、世界の鉄鋼業界のカーボンニュートラルへの取り組みに貢献し、持続可能な社会の実現に取り組んでいく。

KOBELCOグループは、今後も技術・製品・サービスの提供を通じた新たな価値創造による社会課題解決に貢献することで、顧客や社会にとって“かけがえのない存在”としてあり続けるとともに、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」の実現を目指していく。

■用語の補足
◇※1:MIDREX🄬プロセスの基本系である天然ガスベースのMIDREX NGTM直接還元鉄プラントは、世界で90基以上が稼働しており、天然ガスを改質した水素リッチガスを還元剤として用いることにより、従来の高炉法に比べ製鉄工程でのCO₂排出量を最大40%削減することが可能。
◇※2:MIDREX NGTMの技術をベースに、還元に利用する天然ガスを最大100%まで柔軟に水素に置き換えることができるプロセスで、MIDREX NGTM直接還元鉄プラントに比べ、更なるCO₂排出量の削減が可能。
◇※3:100%水素を還元剤としたMIDREX H2TMは、ほぼCO₂排出量ゼロで還元鉄を生産することが可能。
ミドレックス社はスウェーデンのH2グリーンスチール社向け世界初の100%水素直接還元鉄プラント商業機を2022年に受注しており、2025年の生産開始を予定している。

(※資料提供:神戸製鋼所)


TOP