三菱マテリアル
日本銅学会 第57回論文賞受賞
三菱マテリアルは、日本銅学会講演大会において、日本銅学会第57回論文賞を受賞した。
本賞は創意あふれる開発研究の推奨を目的とし、日本銅学会誌「銅と銅合金」に掲載された研究論文の中から、銅および銅合金に関する技術の進歩発展に寄与するものに対して贈られる50年以上の歴史を持つ栄誉ある賞。
このほど受賞した研究論文では、大電流用無酸素銅を対象に、極微量の添加元素による特性の変化を明らかにした。

研究結果では、不純物レベルの極微量のMg(マグネシウム)が含まれる無酸素銅は導電率、耐熱性、耐応力緩和特性の性能バランスに極めて優れ、大電流用導体材料に適すること(本研究成果)を見出した。
無酸素銅は一般的に耐熱性が低いため、その使用には制約がある。
これに対し本研究成果を活用した銅材料は、無酸素銅と同等の高い導電率を有しながら、高い耐熱性を有するため、熱負荷のかかる製造工程や使用環境にさらされる製品にも用いることができる。
自動車のEV化や次世代エネルギーの普及などに伴う電気機器部材の大電流化ほか、過酷な環境条件で大電流、耐熱性が求められる部材のニーズに応えることができる。

同社では、強度と耐熱性を世界最高水準に高めた、独自かつ新しい無酸素銅「MOFCHR」(Mitsubishi Oxygen Free Copper-Heat Resistance)を開発、製造しており、本研究成果は、「MOFC-HR」の優位性の技術的な裏付けにもなった。
同社グループは、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを「私たちの目指す姿」と定めている。
今後も本研究成果を応用した新たな銅材料の実用化ほか、目指す姿の実現に向け、資源循環の拡大、高機能素材・製品供給の強化を進めていく。

■受賞論文
◇論文名:「極微量の添加元素が大電流用無酸素銅の諸特性に及ぼす効果」
●受賞者
・飯原智美:三菱マテリアル株式会社 イノベーションセンター 研究員
・伊藤優樹:三菱マテリアル株式会社 銅加工開発センター センター長補佐
・福岡航世:三菱マテリアル株式会社 銅加工開発センター センター長補佐
・末廣健一郎:三菱マテリアル株式会社 銅加工開発センター センター長補佐
・牧一誠:三菱マテリアル株式会社 技術開発部 部長・博士(工学)

(※資料提供:三菱マテリアル)


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