SEMI・半導体気候関連コンソーシアム
SCCエネルギーコラボレイティブ(SCC-EC)を設立
SEMI(米国カリフォルニア州ミルピタス)および半導体気候関連コンソーシアムは11月29日、世界の半導体産業による炭素排出量削減を目指して、アジア太平洋地域における低炭素エネルギー源設置に対する障害の理解および除去のためのSCCエネルギーコラボレイティブ(SCC-EC)を設立した。
SCC-ECには業界のリーディングカンパニーが参画し、同地域の低炭素エネルギー源設置に向けた優先事項について見解を提供する。

SCC運営評議会メンバーでSCCスコープ2ワーキンググループのスポンサーである、DuPontのアドバンスト・クリーン・テクノロジーズ担当グローバル・ビジネス・ディレクターのYoung Bae(ヨン・ベ)氏は、「各社のリソースを共有し、半導体産業のサステナビリティの基盤となるこの作業をただちに開始することが、今後5年から10年のうちに低炭素エネルギーの広範な利用を実現する上で重要となる。SCCが特定した重要な行動領域のひとつが、アジア太平洋地域における低炭素エネルギーに対する計画と行動の欠如です。SCCエネルギーコラボレイティブは、その利用拡大へむけた投資を加速する一助となるでしょう」と述べている。

SCC-ECの活動は、ラウンドテーブル会議や実態調査セッションに参加するスポンサー企業によって支えられている。
設立時のスポンサーは以下のとおり。

・Applied Materials
・AMD
・ASE
・ASML
・Google
・JSR
・Lam Research
・Macquarie Group
・Samsung Electronics
・TotalEnergies
・TSMC

McKinsey & Companyは、SCC-ECのナレッジパートナーとして、事実に基づいた分析とサポートを提供している。

SEMIの社長兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は、「半導体のバリューチェーンとその川下のパートナーや顧客の市場は、重要市場における規模、また、将来のエネルギー需要増加との関連の大きさから、低炭素エネルギー導入の加速において極めて重要な役割を担っています。この分野の排出削減目標を達成するためには、野心と行動を一段階引き上げなければなりません。SCC-ECは低炭素エネルギーの利用拡大のスピードと規模の増進という目標にフォーカスした組織です」と述べている。

SCCの最新報告書によれば、半導体のバリューチェーンはアジアの主要市場のほとんどすべてにおいて、突出したエネルギー消費者となっている。さらに、McKinsey & Companyの分析によれば、大手半導体企業各社は過去よりも厳しい対策をコミットしているものの、業界が2016年のパリ協定で要求されたレベルまで排出量を抑制できるめどは立っていない。この分析では、半導体企業の個々および集団的な行動の両方が、業界全体の持続可能性への取り組みを強化し、1.5℃の課題達成に貢献することを示している。

SCC-EC はアラブ首長国連邦ドバイで開催されるCOP28のグリーンゾーンで12月2日に特別セッションを開催する。
詳細の問い合わせは、SEMIのHidi Hoffman(ハイディ・ホフマン)氏(hhoffman@semi.org)まで。

なお、SCC-ECはこのプロジェクトへの新たなスポンサーやパートナーを歓迎している。
コンソーシアムへの参加あるいは詳細については、scc@semi.orgまで。

■半導体気候関連コンソーシアム
半導体気候関連コンソーシアム(SCC)は、半導体バリューチェーンが直面する排出量削減課題を克服することに焦点を当て、協調、野心、透明性の原則に基づいて結成された。
SCCのワーキンググループは、より正確な排出量報告を確立し、バリューチェーンの進捗状況測定と、サステナビリティ・ソリューションの開発加速を目的に活動している。SEMIサステナビリティ・イニシアチブから発展したSCCには90社以上が参加している。

(※資料提供:SEMIジャパン)


TOP