三クボタ、バッテリーシステム開発企業に出資
クボタ(大阪市浪速区、社長:北尾 裕一氏)は、このほどEVなど電動製品の性能向上に欠かせないバッテリーシステムの開発に強みを持つ台湾のスタートアップ企業、XING Mobility Inc. (ジン・モビリティ、本社:台北市、以下XING社)を傘下にもつ持株会社XING Technology Inc.(ケイマン諸島)への出資を決定した。

カーボンニュートラルに向け産業機械分野の電動化が加速す中、製品の出力や連続稼働時間などを左右するバッテリーシステム(※1)の性能向上や安定的な調達ルートの確保が重要な課題となっている。
クボタは、トラクタや小型建設機械の電動化に向けた技術開発を進める一方、農地や建設工事現場などの過酷な環境下での高出力運転に適合するバッテリーシステムの開発・確保が大きな課題となっている。

XING社はさまざまな形状・種類のバッテリーセル(電池の最小単位)をバッテリーシステムに組み込むことができる開発力や、バッテリー性能を引き出す温度管理や経年劣化を抑制するのに欠かせない冷却技術に強みをもつバッテリーシステム専業メーカーで、これまでトラックや鉱山機械、蓄電システムなどに採用された実績がある。
クボタは、XING社が商用化した浸漬冷却技術(※2)や顧客ごとのカスタマイズにも対応可能な開発力を高く評価しており、同社の持株会社であるXING Technology Inc.に出資することにした。
クボタは、今回の出資を通じXING社との連携を強化することにより、電動化製品の開発の加速はもとより、将来的には多くの産業機械メーカーの課題を解決するバッテリーシステムを開発・外販することも視野に、電動化による産業機械分野のカーボンニュートラル実現を目指していく。

■用語の補足
※1:バッテリーやソフトウェア、冷却機構などをユニット化したもの。
※2:バッテリーセルを冷却液(オイル)に浸漬して直接冷却する技術。一般的な空冷式と比べ確実・均一に冷却することで、バッテリー寿命を延ばすことができる。また、万が一の発火時の類焼を予防できる。

※写真は、XING Mobility社の浸漬冷却式バッテリーシステム

(※資料提供:クボタ)


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