三菱電機
フランス空調事業会社 AIRCALOを買収
三菱電機株式会社は、100%子会社である空調機器製造・販売会社 Mitsubishi Electric Hydronics & IT Cooling Systems S.p.A.(三菱電機ハイドロニクス&アイティークーリングシステムズ、本社:イタリア・バッサーノ市)と同じく100%子会社である Mitsubishi Electric Europe B.V.(三菱電機ヨーロッパ、本社:オランダ・アムステルダム市)を通じて、フランスの水空調事業会社であるAIRCALO(本社:フランス・ボルドー市)の全株式を4月2日に取得した。
三菱電機は、AIRCALOの幅広い製品ラインアップとさまざまな顧客要望に応じる高いカスタマイズ力を獲得することにより、受注生産品の需要が高く、環境意識への高まりから今後の欧州市場全体で拡大が見込まれる水空調事業を強化し、多様化する市場ニーズに対応していく。

三菱電機は、2025年度を目標とした中期経営計画において、空調冷熱システム事業を重点成長事業の一つと定め、グローバルで事業拡大に取り組んでいる。
なかでも、成長戦略の重要地域と位置付ける欧州市場では、カーボンニュートラル化に向けた欧州各国の施策が先行しており、今後想定される冷媒規制の厳格化により、低GWP(※1)冷媒への転換や冷媒使用量がより少ない水空調方式(※2)の拡大が見込まれる。

水空調市場は、個別物件対応の受注生産品が需要の大半を占め、製品ラインアップとカスタマイズ力が重要で、特に本体内部のカスタマイズのみを行うことが多いFCU(※3)において、AIRCALOは、本体内部のカスタマイズに加え、本来施工業者が現地手配し施工・調整する必要がある周辺部材やコントロール機器などを顧客毎にパッケージ化して販売することで、施工業者の作業の軽減や施工不具合の低減も実現している。

欧州市場における同社の水空調の製品ラインアップおよびカスタマイズ力強化のため、フランスにおける長年の事業実績やFCU・AHU(※4)市場での高い市場シェア、幅広い製品ラインアップ、そして、物件毎の顧客要望に対応できる高いカスタマイズ力を持つ AIRCALOを買収し、同社の欧州販売網も活用することで、水空調事業を強化する。

同社は、今般の同社買収によって、より環境に配慮した製品を欧州市場に広く提供し、カーボンニュートラルの実現に貢献する。



■用語の補足
※1 GWP:Global Warming Potential、地球温暖化係数。
※2 水空調方式:熱源機(チラー等)と室内機(FCUやAHU等)を冷温水配管で接続する空調方式。冷媒は熱源機のみで使われるため製品・システム全体としての使用量は少ないことが特長。
※3 FCU:Fan Coil Unit、冷温水を用いて冷暖房する水空調用小型室内機。
※4 AHU:Air Handling Unit、冷温水を用いて冷暖房、換気を行う水空調用大型室内機。

(※資料提供:三菱電機)


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