三菱マテリアル
H.C.Starck Holdingの株式取得で合意
三菱マテリアルグループは、このほどタングステン事業を営むH.C.Starck Holding(Germany) GmbH(以下、H.C.Starck)の全株式を取得するで、Masan High-Tech Materials Corporation(以下、MHT)と基本合意に至った。

H.C.Starckは、100年以上の歴史を有する世界有数のタングステン製品メーカー。主にタングステン粉、タングステンカーバイド粉およびその合金を素材とする高品質粉末を欧州、北米、中国で製造・販売、日本にも販売網を有し、各地域で存在感を示すとともに、世界最大級のタングステンリサイクル能力を保有している。
また、MHTグループとはタングステンの中間原料であるAPTの長期調達契約を締結し、今後もパートナーシップを継続していく。

三菱マテリアルグループは、中期経営戦略2030において、「グローバルで顧客が認めるタングステン製品のリーディングカンパニー」となることを事業戦略のひとつとし、タングステンを主原料とする超硬工具においては、グローバルでの使用済み超硬工具の回収やリサイクル能力の確保に向けた取り組みを進めている。

本取得により、三菱マテリアルグループは日本、欧州、北米、中国の4大市場においてタングステン事業の拠点を有することになる。日本新金属株式会社(三菱マテリアル100%子会社)とH.C.Starckの連携による研究開発力の強化、クロスセルの推進、リサイクル技術・能力の活用等を通じたシナジー創出と企業価値向上を目指すとともに、タングステンリサイクルのグローバルな事業展開につなげていく。

本取得は、2024年5月29日に最終契約書を締結する(予定)。必要な社内手続き及び当局の承認を経て2025年3月末までに完了を予定している。

三菱マテリアルグループは「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを自らの目指す姿と定めている。
タングステンリサイクル事業の拡大を含む資源循環に係る事業の拡大を通じて、目指す姿の実現に取り組んでいく。

■H.C.Starckの概要(2023年12月31日現在)
(1)名称:H.C. Starck Holding(Germany)GmbH
(2)所在地:ドイツ ゴスラー
(3)代表者の役職・氏名:Dr. Hady Seyeda(Managing Director)
(4)事業内容:タングステン粉、タングステンカーバイド粉、タングステンケミカルの製造、販売およびリサイクル
(5)資本金:25,000ユーロ(約4百万円)
(6)設立年:1920年
(7)大株主および持株比率:Masan Tungsten Limited Liability Company 100%(MHTの100%子会社)
(8)売上高:約334百万ユーロ(約524億円)

■MHTの概要(2023年12月31日現在)
(1)名称:Masan Hi-Tech Materials Corporation
(2)所在地:ベトナム ホーチミン
(3)代表者の役職・氏名:Craig Richard Bradshaw(CEO)
(4)事業内容:タングステンの製錬、粉末製造ならびにタングステンおよびその他レアメタルのリサイクル
(5)資本金:9兆8,924億ベトナムドン(約450億円)
(6)設立年:2010年
(7)大株主および持株比率:Masan Horison Co., Ltd 86.39%
(8)売上高:約14兆932億ベトナムドン(約817億円)

※資料提供:三菱マテリアル)


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