スギノマシン
洗浄液・切削油浄化ユニットの新機種発売!
スギノマシンは、マイクロバブルの力で液中の異物・油分を除去する切削油・洗浄液浄化ユニット「JCC-HM(ジェイシーシー エイチエム)」の新機種を開発した。
従来機の処理構造を見直し、処理能力を向上。装置サイズを半分に抑え、コスト削減と環境負荷低減に貢献する。
同ユニットは、10月14日から開催している「2020洗浄総合展オンライン」に出品している。

マイクロバブルには、液中の粒子を凝集させる特性がある。そのため、液中の切粉などの異物や油分を付着させることができ、汚れが付着した泡が液面に浮上することで汚れを分離・浄化する。
フィルタを使用しないため、回収した切粉や油分以外の廃棄物が出ることなく、環境に優しい処理方法として注目されている。

同社は、昨年6月に発売した従来機の構造を見直し、処理能力を向上させるとともに、装置サイズを従来機の半分に抑えるなど、処理能力アップと小型化を実現した。

「JCC-HM」は、マイクロバブルに液中の汚れ(異物・油分など)を付着させ、水面に浮上させることで、液を浄化す。
液面に浮かせた汚れを取り除くため、他工法では必要なフィルタが不要。しかも、産業廃棄物の削減、消耗品のコスト削減、作業者のフィルタ交換の手間削減などと多くのメリットがある。
9枚羽のコアレッサを5つ搭載し、合計45枚の羽根で、汚れが付着した泡を凝集させ、泡が大きくなると浮上速度が上がるため、素早く汚れを分離できる。
そのうえ必要な動力はエアだけで、電源が不要で、必要な準備は2本のホース(汚水IN/浄化水OUT)とエアを接続するだけで設置を簡単に稼働できる。

新機種は、装置構造を見直し、処理した汚水を再処理する機構を新たに搭載。汚水を繰り返し処理することで、従来機と比べて処理能力が向上した。

また、浮上させた汚れを溜めておく分離槽を新たに設け、分離した汚れのみを簡単に排出できるようにした。これにより分離した汚れと一緒に流れ出る廃液の量を従来の1/5まで抑えることができる。

さらに、構造変更に伴い、装置本体の大きさも従来の約半分に抑えた。これにより、加工・洗浄装置のタンク上に設置することも可能になったほか、オプションとして専用台車も用意したことで設置場所を自在に変更できる。

液中の異物除去促進によるメリットは、①液の寿命が延長し、更液・廃液処理コストと環境負荷を低減するほか、②異物が取り除かれることで、ワークの清浄度(洗浄機)/加工精度(加工機)が向上する。
また、③加工・洗浄設備の各消耗部品の寿命が延長(液中の異物による摩耗を防ぐ)するほか、④液の腐敗による悪臭の軽減、作業環境の改善にも寄与する。

近年はSDGsへの取り組みを推進する企業が増えている。
同ユニットは、切削油・洗浄液を長く使用できるようにすることで廃棄量を抑制にも貢献する。




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