ソディック
不活性ガス溶解射出成形システム 開発!
ソディックは、生分解性プラスチックの生産性向上を目的に、“eV-LINE”(イー・ブイライン)電動射出成形機MSシリーズに搭載可能な不活性ガス溶解射出成形システム「INFILT-V(インフィルト)」を開発、11月より発売する。
INFILT-V は、樹脂材料の粘度を低下させる可塑剤の役割を果たし、従来、薄肉成形が困難だった生分解性プラスチックでも薄肉で深物の成形加工を容易に可能にする。

ソディックは、可塑化・射出装置V-LINE®を採用した電動射出成形機MS シリーズに、不活性ガス溶解射出成形システム「INFILT-V」を搭載し、樹脂材料を金型に充填する射出プランジャから不活性ガスを直接注入する新しいシステムを開発。計量された樹脂材料に射出プランジャから不活性ガスを直接注入することで、ガス量を精密に注入することが可能となり、不活性ガスを溶解させている樹脂材料を安定して計量・射出することができる。

一般的な射出成形機は、可塑化部と射出部が同軸上に一体構造となるインライン方式を採用しているに対し、ソディックは可塑化のみを行う可塑化部と計量・射出を行う射出部を分離した「V-LINE®」方式を採用。V-LINEⓇ方式が分離構造であるため、不活性ガスを射出プランジャに直接注入することが可能となり、より高度な制御を可能にした。

不活性ガスを射出プランジャに直接注入することにより、ガスを樹脂材料に溶解させ、その粘度が低下する現象を利用することで、従来では困難だった薄肉成形に対して、樹脂材料を安定して充填できる効果が得られる。
INFILIT-V の効果の実証として、樹脂材料に生分解性プラスチックを、不活性ガスに炭酸ガスを使用し、肉厚0.4㎜、全長105㎜、コップ形状の薄肉で深物の成形事例では、標準成形では充填不足によるショートショットが発生し、安定成形が困難だったが、INFILT-Vシステムを使用した場合、流動長が標準対比で18.7%と向上。また、射出圧力が48.3%低減され、ショートショットすることなく、スムーズに樹脂材料を完全に充填させることが可能となり、生分解性プラスチックを用いた成形での生産性向上が期待できる。
INFILT-Vの販売価格(税抜):1650万円~。

■詳細はHP参照。 https://www.sodick.co.jp/

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