シチズンマシナリーは、主軸台固定形CNC自動旋盤ミヤノから新シリーズとなる「ANX42SYY」を2021年7月より発売する。
新製品は、市場ニーズに応え、タレット刃物台にLFV技術を初搭載し、中径複雑加工が可能なグローバル戦略機としてワールドワイドに普及を図っていく。
2021年2月3日より開催される「シチズンマシナリー・オンライン・プライベートショー2021」に出展する。

Miyano ANX42SYYは、4年ぶりとなるミヤノの新シリーズ。
最大加工径φ42㎜の主軸を搭載した、正面・背面の同時加工が可能な2スピンドル・2タレットのバー材加工機で、タレット刃物台に初めてLFV(低周波振動切削)技術を搭載した。

また、正面、背面両主軸に「ビルトインスピンドルモーター」方式を採用したほか、スライド全軸にリニアガイドを搭載することで応答速度・早送り速度を向上。加えて自由度が高い同時加工を可能とする重畳制御により、サイクルタイム短縮に貢献する。
重畳制御は、ある系統に合わせて、他の系統も同時に加工することで、正面主軸と背面主軸を一つのタレット上にある刃物で同時に加工する場合、正面主軸を加工するためのタレットの移動量を考慮しながら背面主軸の加工に必要な移動量を自動計算してプログラム通りに加工を行う制御。これにより高効率な部品加工わ可能にする。

さらに、上部、下部の両タレットにＹ軸を搭載したことで、複合加工、微細加工を可能にした。

このほか、新たに開発した新HMI(ヒューマン マシン インターフェイス)操作盤を搭載。構造解析により最適化された鋳物構造に各機器類を適正配置することで、既存製品と比べ20％の省スペース化を図るなど、操作性や使い勝手にも配慮したコンパクトな機械となっている。
主な加工用途としては、自動車、空圧、油圧、医療分野など幅広く対応する。

☆ANX42SYYの主な特長
(1)タレット刃物台に初めてLFV技術を搭載。
タレット刃物台にLFV技術を初めて搭載。切りくずのさまざまな課題解決に寄与する。LFV搭載機種は同機で10機種となる。
LFV技術は、シチズン独自の制御技術により、サーボ軸を切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物があたらない「空振り」する時間を設けることで切りくずを分断させる加工技術。これにより、小径深穴加工の効率向上や、切りくずが長くなりやすい難削材旋削加工においても切りくずが細かく切断できるなど、切削加工において長年の課題であった切りくずに関するさまざまな課題解決を実現する。また、切りくず容量の大幅縮小や、ワーク表面への傷防止などにより、長時間高精度加工を実現する。

(2)サイクルタイムを大幅に短縮。
正面、背面主軸に「ビルトインスピンドルモーター」を採用。ベルト駆動方式スピンドル搭載機に比べ、30％応答速度を向上した。また、リニアガイドを採用し、早送り速度を向上したほか、同時加工が可能な重畳制御により、サイクルタイムを短縮した。
さらに、材料をつかむチャックは、正面主軸、背面主軸共にφ42㎜に対応し、加工の自由度を向上した。

(3)タレットにY軸を搭載。
上部、下部タレットにY軸を搭載したことで稼働軸が増え、複雑加工が可能となり加工の幅が拡がった。

(4)作業者への配慮と共に、20％の省スペース化を実現。
最新のNCを搭載し、新HMI(ヒューマン マシン インターフェイス)搭載の操作盤には15インチのタッチパネルを採用したほか、ミヤノブランドユーザーのみならず、シンコムブランドユーザーが使いやすいように操作の互換性を持たせるなど、機械操作性を向上した。
このほか、切削室にはスライド式の大型扉を備え、広く開放的な作業スペースと加工状況を確認できる視認性を確保。既存機種より約20％省スペース化を実現しつつ、操作性や使い勝手にも配慮したコンパクトな機械になっている。

LFV技術は、シチズン独自の制御技術により、サーボ軸を切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物があたらない「空振り」する時間を設けることで切りくずを分断させる加工技術。これにより、小径深穴加工の効率向上や、切りくずが長くなりやすい難削材旋削加工においても切りくずが細かく切断できるなど、切削加工において長年の課題であった切りくずに関するさまざまな課題解決を実現する。また、切りくず容量の大幅縮小や、ワーク表面への傷防止などにより、長時間高精度加工を実現する。

製品の詳細　https://cmj.citizen.co.jp/