神戸製鋼所
高炉工程でCO2排出量を約20%削減!
神戸製鋼所は、エンジニアリング事業のミドレックス技術と鉄鋼事業の高炉操業技術を融合し、高炉工程でのCO2排出量を大幅に削減する技術の実証に成功した。

ミドレックス技術は、米国のKOBELCOグループ100%子会社(Midrex Technologies, Inc.)が有する直接還元製鉄法に関する技術。
実証試験は、2020年10月に加古川製鉄所の大型高炉(4,844㎥)で約1か月にわたり行われた。

実証試験では、高炉にMIDREX®プロセスのHBI(還元鉄)を多量に装入し、高炉からのCO2排出量を決定づける還元材比(高炉で使用する炭素燃料使用量)を518kg/t-溶銑から415kg/t-溶銑に安定的に低減(CO2排出量を従来比の約20%削減)できることを確認した。
また、世界最少水準のコークス比(239kg/t-溶銑)も同時に達成できており、現有する技術を用いたCO2低減策の中では、安価な追加コストでCO2を削減できるソリューションを提供できる目途が立った。

今回のCO2削減のキーテクノロジーは、エンジニアリング事業におけるミドレックスプロセスのHBI製造技術および鉄鋼事業における高炉操業技術を融合したもので、高炉へのHBI装入技術、AIを活用した操炉技術、同社独自のペレット改質技術など、すべてKOBELCOグループ独自開発の汎用性のある高炉向けソリューション技術として注目されている。

同社は引き続き、CO2排出量の更なる削減、ならびにCO2削減コストの低廉化など、低CO2排出高炉操業技術のブラッシュアップにチャレンジしていくほか、自社のCO2削減のみならず、今回のソリューションをベースに、全世界の高炉でHBI装入によるCO2削減が加速されるよう貢献していく。

さらに、今回、実機での実証実験が成功したことから、低CO2高炉鋼材の顧客への提供に向けて大きく前進したものと考えており、サプライチェーン全体で環境問題へ取り組む中で、新たな価値を付加した低CO2高炉鋼材を個客に速やかに提供できるよう生産・販売体制の構築や販売条件の設定を進めていく方針。


TOP