神戸製鋼所
アルジェリアAlgerian Qatari Steel向けMIDREX®直接還元鉄プラントの生産開始!
神戸製鋼所は、米国の同社100%子会社であるMidrex Technologies, Inc.(ミドレックス社)と、ライセンス供与先であるPaul Wurth S.A.(PW社)のコンソーシアムが、2016年に受注したアルジェリアのAlgerian Qatari Steel(AQS社)のベラーラ地区製鉄所向けMIDREX®プラント(生産能力:250万トン/年)がこのほど完成し、先月より還元鉄(DRI:Direct Reduction Iron)の同社電気炉への投入を開始した。

同製鉄所は、アルジェリアの首都アルジェから約400㎞東にあるベラーラ地区にあり、MIDREX®プラントで生産した還元鉄を用いて、同製鉄所内の電気炉で溶解し、連続鋳造機・圧延機にて約200万トンの棒鋼・線材が生産される予定。

今回の設備の特長は、MIDREX®プラントと電気炉間を接続し、還元鉄排出時の温度を保ったまま次工程の電気炉へ輸送することで、省エネ性と生産性に優れたプロセスとなる。同プラントから還元鉄を供給することで、同製鉄所での高品質な鉄鋼製品の生産に寄与することができる。

MIDREX®プロセスは、天然ガスを使った還元鉄製鉄法であり、世界の約80%(還元鉄全体では約60%)を占めるリーディングプロセス。同方式は、天然ガスを還元材として、鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用しシャフト炉によって還元し、還元鉄を製造する。高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を抑制できることなどが特長で、世界で90基以上が稼動している。

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■Midrex Technologies, Inc.の概要
設立:1983年(買収)
所在地:米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代表者:社長・CEO Stephen Montague氏

■Paul Wurth S.A.の概要
設立:1870年
所在地:ルクセンブルク大公国 ルクセンブルグ市
代表者:CEO Georges Rassel氏
※PW社は、2014年2月に神戸製鋼所からMIDREX®プロセスを活用した直接還元鉄プラントの設計、建設及び、マーケティングのライセンス供与を受けている。

※還元鉄(DRI:Direct Reduction Iron)とは
鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。炉内で還元したDRIを、冷却せずに炉から排出したものを、Hot DRI(HDRI)、冷却したものをCold DRI(CDRI)という。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、電気炉で(近年は高炉や転炉でも)鉄源として使用されている。

神戸製鋼所URL↓ https://www.kobelco.co.jp/

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