川崎冷熱工業
ドライ式低NOx水素専焼小型貫流ボイラ発売!
川重冷熱工業は、ドライ式低NOx水素専焼バーナを搭載した小型貫流ボイラ「WILLHEAT(ウィルヒート)」シリーズを2021年5月から発売する。
同製品は、同社がこれまで石油化学プラントや製鉄所、苛性ソーダの生産工程などで発生する副生水素を燃料とするボイラの製造で培った技術と、川崎重工の持つ水素関連のノウハウを組み合わせて開発。地球環境にやさしい次世代エネルギーとして期待が高まりつつある水素を燃料としたバーナを新開発し、ボイラー技士免許が不要な小型貫流ボイラに搭載した。

水素は燃焼時に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーだが、火炎温度が高いことから天然ガス燃焼時に比べ約3倍のNOxが発生する。
同製品の特長は、NOx排出量を抑えるために通常採られる、燃焼室への蒸気噴霧や排ガス再循環を必要としないドライ式バーナで、独自の水素と空気の混合方式により、省エネ法で定められた低空気⽐においても、天然ガス焚き並みの低NOxを実現した。
さらに、蒸気噴霧がないため、蒸気出力や熱損失などの無駄がなく、また排ガスを再循環させる機器が不要なため、メンテナンス性が高まるなど、従来の水素燃焼ボイラと比べ低コストでの運用を可能にした。

川崎重工グループは、将来の水素エネルギーの普及を見据え、水素エネルギーサプライチェーンに必要なインフラ技術の開発・製品化に注力している。
同社も川崎重工グループとして、今後もボイラや吸収冷温水機での水素関連製品の技術革新とラインナップ拡充に積極的に取り組み、多様な市場ニーズに的確に応えながら、環境負荷の低減、低炭素・脱炭素社会の実現へ貢献していく。

■小型貫流ボイラ「WILLHEAT」シリーズの特長
(1)環境・安全・省エネ性能
・NOx排出量は、省エネ法の空気比基準において、60ppm(O2=5%換算)以下を実現。
・燃焼開始前、燃焼停止後に、配管内部の残留水素と空気が可燃混合気にならないよう窒素パージ機能を付加。
・定格ボイラ効率98%(蒸気圧力0.49MPa、給水温度15℃、給気温度35℃)を実現。
・押込送風機と給水ポンプは、インバータ連続制御により実用運転時の消費電力を低減。
・独自のPID(比例・積分・微分)制御により、実用運転時のボイラ効率を高く維持。

(2)利便性
・小型ボイラー取扱業務特別教育修了者が取扱い可能。(ボイラー技士免許不要。伝熱面積が10㎡以下、最高使用圧力が1.0MPa以下)。
(3)高い蒸気品質
・連続燃焼PID制御および連続給水PID制御の採用により、燃焼段階切替えによる圧力変動・給水時の缶内温度変化による圧力変動を低減。(±0.005MPa)。
・気水分離器水位を連続給水PID制御とすることで水位安定化を図り、気水分離器の旋回機能とあわせて、蒸気の高乾き度(99.8%)を達成。



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