三菱マテリアルは、ゴムの柔軟性を持つ画期的な新材料「金属ゴム」を開発した。
金属と同等の高温環境で使用でき、かつ有機材料と同等の柔軟性を発揮する、これまでに無い画期的な新材料として今後用途開発を進めていく。

工業材料は、柔軟性が求められる用途にはゴムを代表とする有機材料が選択され、耐熱性が求められる用途には金属材料が選択されるなど、用途に適した材料が使用されている。
一方で、有機材料は耐熱性が高くなく、高温環境下では一定の制限を受けながら使用する必要があるなど、選択した材料の特性にトレードオフが生じることが課題となっている。
こうした課題を克服するため、同社は、耐熱性と柔軟性を両立する新材料の開発に着手。ヤモリの足裏の剛毛による接着機構に着想を得て、同社の中央研究所において開発中の生物模倣による表面高機能化技術を応用することにより、金属材料の表面に特殊な微細形状を施した。この結果、金属と同等の高温環境で使用でき、かつ有機材料と同等の柔軟性を発揮する金属ゴムの開発に成功した。

金属ゴムは、高い耐熱性と柔軟性の両方が求められる接着・仮固定用途への展開を見込んでおり、特に航空宇宙、半導体、医療などの分野での用途開発を進めていく。

また、同社は金属ゴムの技術サイトも開設した。

※金属ゴムの技術サイトURL
https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/business/rd/metal_rubber.html