神戸製鋼所
オーストラリアからマイクロチャネル熱交換器受注
神戸製鋼所は、エンジニアリング・建設会社であるClough社(クラフ社)から、西オーストラリア州ドンガラで計画中のガス田開発プロジェクト(Waitsia Gas Project Stage2「ウェイトシアガス田 ステージ2」)で建設されるガス処理プラント向けに、同社のマイクロチャネル熱交換器(製品名:DCHE=Diffusion Bonded Compact Heat Exchanger)2基を受注した。

同プロジェクトは、Mitsui E&P Australia Pty Ltd.(三井物産(株)100%子会社)が出資し、2016年から生産開始しているステージ1に続き、ステージ2として2023年後半の生産開始を予定している。生産した天然ガスは、LNGとしてオーストラリアとアジア市場へ販売する。
プロジェクトの設計・調達・建設を担うクラフ社が、ガス処理プラント(日量250TJ)を建設し、その熱交換用途として神戸製鋼所のDCHEが使用されるもので、2022年に現地納入を予定している。

DCHEは、50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する知見を活かし、2012年に製品化。特長は、ステンレスのプレートに幅1~2㎜の微細な流路を加工・積層し、拡散接合(※1)することで、一般的なシェル&チューブ構造(2重管式)のものと比べ、広い伝熱面積(約1,000㎡/㎥)、コンパクト性(約1/10サイズ)と超高圧への耐性(100MPa)を有している。とくに水素ステーション向けの熱交換器として、世界で高いシェアを有しているが、今回、ガス処理プラント用途としては最大クラスのDCHEを受注した。

KOBELCOグループでは、本年5月に公表した「中期経営計画(2021~2023年度)」で、最優先課題の一つとして「カーボンニュートラルへの挑戦」を掲げており、天然ガスは燃焼時のCO2発生量が少ない環境特性に優れたクリーンエネルギーで、同社は今後もカーボンニュートラルに寄与する技術・製品・サービスを通し、CO2排出削減に貢献する。

※1:拡散接合は、溶接など接合方法の一種。材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧することで、原子レベルで結びつける接合方法。一般的な溶接と異なり、母材を溶かすことなく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の接合に適している。



TOP