三菱電機
「第69回電気科学技術奨励賞」受賞
三菱電機は、「光通信用EML 集積送信モジュールの開発と実用化」及び「プラント工場の安定稼働に貢献する革新的監視技術の開発と実用化」に関する技術が、令和3年度「第69 回電気科学技術奨励賞」を受賞した。
受賞式は11月24日(水)、東京都千代田区の学士会館で執り行われる。

光通信用送信モジュールは、光通信用トランシーバーに搭載されるキーデバイスで、電気信号を光信号に変換して送り出す役割を担っている。同社は2016年に高速、低電圧で動作するEML(※1)と、25Gbps(※2)の光信号4つを小さく1つに束ねる技術を開発。従来体積比30%減の業界最小クラスの筐体サイズで100Gbpsの光信号を送信することが可能な光通信用EML集積送信モジュールを実現した。これにより、近年のデータトラフィックの増大に伴いトランシーバーに要求される、大容量・低消費電力・小型化に対応する。

受賞者は、三菱電機 情報技術総合研究所の有賀 博氏、村尾 覚志氏、同高周波光デバイス製作所の望月 敬太氏。

※1 Electro-absorption Modulated Laser diode:変調器集積半導体レーザ
※2 25Gbps(Giga-bits per seconds):1 秒間に250 億個のデジタル符号を伝送できる通信レートの単位

 また、「プラント工場の安定稼働に貢献する革新的監視技術の開発と実用化」に関する技術は、従来、工場におけるモータなどの生産設備の保全は、主に人手による定期点検で行っていたが、保守費用削減などもあり、さらなる効率化や省力化が求められていた。同社は2018年に運転中のモータの電流信号と電圧信号から異常検知に必要な特徴量を抽出することにより、5種類のモータ設備異常(①機械系異常※3②回転子バー異常③ベルト断線④固定子巻線の短絡⑤トルク異常)を自動で検知する技術を開発。同技術を同社の開閉装置「モータコントロールセンタ」(※4)に搭載し、また、既存設備にも対応できるモータ診断装置「DiaPro MotorTM(ダイアプロモータ)※5」を実用化した。これにより、保守作業者の技術レベルに依存せず、設備の安定稼働と保守の省力化に貢献する。

受賞者は、三菱電機 先端技術総合研究所の金丸 誠氏、同受配電システム製作所の宮内 俊彦氏、同先端技術総合研究所の開田 健氏。

※3:軸受異常、偏心、異常振動など。
※4:工場、上下水道処理場、発電所などの設備で使われるポンプや機械類のモータ群の制御・保護・計測等を集中監視するための開閉装置。
※5:運転中のモータの電流信号から自動で異常を検知する診断装置。


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