不二越
MVP搭載DLCコーティング装置開発
不二越は、高速かつ細穴内面の成膜も可能な新型MVP搭載DLCコーティング装置「SMVP-1020」を開発、市場投入した。

近年、コーティング加工は金属製品の長寿命化・性能向上などを目的に、幅広い産業界で活用されている。
特に炭素を主成分とする非晶質のカーボン物質膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は、その高耐摩耗性、低摩擦性などから、アルミ切削用ドリルや半導体・紡績機械、金型、自動車部品、プラスチック、ガラスレンズなどに幅広く多用され、DLC成膜装置の高品質化・高速化ニーズが一段と高まっている。

不二越は、1980年代に主に工具のコーティングを開始し、以来、自社でコーティング装置を開発・製造してきた。今回、これまで培ってきたコーティング技術を活かし、高速、かつ細穴内面の成膜も可能な新型DLCコーティング装置「SMVP-1020」を開発、半導体
・紡績・金型業界などを中心に販売を開始した。

☆SMVP-1020の特長
SMVP-1020は、マイクロ波を利用したコーティング技術であるMVP法(Microwave sheath-voltage combination Plasma)を採用することで、高密度プラズマによるDLC膜の高速外面コーティングを実現し、さらに、細穴内面へのコーティングも可能とした。

(1)高密度プラズマによる超高速成膜
MVP法による高密度プラズマにより、外面コーティングでは150μm/hrの超高速成膜を実現。標準的なアーク法やスパッタ法による従来機に比べ、成膜速度が30倍から最大150倍程度まで向上する。

(2) 内面コーティングの成膜領域拡大
従来の技術では困難であった細穴内面のコーティングを実現し、φ30㎜×500L㎜やφ3㎜×100L㎜などの小径穴内部への成膜品質を確保する。

(3)少量、多品種に対応
同社従来機より処理時間を大幅に短縮し、処理膜の切替えも容易なため、少量・多品種の処理に柔軟に対応。
また、コンパクトな設計で、2台設置し交互運転することで生産効率がさらに向上する。

☆主な用途と産業市場
半導体分野:半導体製造装置のバルブ、継手、パイプ内面などの耐腐食化、耐摩耗化。
紡 績 分 野:紡績機械のノズル内面の耐摩耗化。
金 型 分 野:金型の耐摩耗化、耐疑着化。

☆MVP搭載DLCコーティング装置「SMVP-1020」の仕様
据付寸法:幅2.1m×奥行2.0m×高さ2.1m
成膜有効範囲:径250㎜×高さ500㎜
対応膜種:DLC、Si-DLC

☆発売について
(1)発売時期:2021年11月1日
(2)価 格:オープン価格
(3)販売目標:10台/年

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