神戸製鋼所
「第63回 田宮賞」の表彰式執り行う 
神戸製鋼所は、「第63回 田宮賞」の受賞案件を下記の通り選定し、4月13日(水)に神戸本社で授賞式を執り行った。

「田宮賞」は、同社の第5代社長である田宮嘉右衛門氏(※1)の遺徳と事蹟を永く記念するため、同社およびグループ各社などの中から会社の業績や社会に大きく貢献した技術・製品について、1960年以来表彰を行い、今年で63回目を迎える。

「第63回 田宮賞」では、株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門のテーマ「水素燃料電池車向けセパレータ用NCチタン(※2)の開発と量産化」が金賞を受賞した。
 株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門では、燃料電池の重要部品であるセパレータ(※3)向けに高い導電性と耐食性を両立し、プレス成形にも耐えるNC チタンの開発に成功した。トヨタ自動車株式会社との共同開発を経て燃料電池車「2代目MIRAI 2020」への採用が決定し、独自の連続表面処理設備を立上げて量産を開始した。表面処理済みのコイルの提供により、トヨタ自動車株式会社での生産性向上などを実現するとともに、燃料電池車の機能向上にも大きく貢献した。

また銀賞は、コベルコ・コンプレッサ株式会社のテーマ「汎用空気圧縮機 世界戦略商品~エメロードALEⅣ型・コベライアンⅣ型~の拡販」が受賞した。
 コベルコ・コンプレッサ株式会社では、オイルフリースクリュ圧縮機と油冷式スクリュ圧縮機を播磨工場と神鋼圧縮機製造(上海)有限公司(※4)の2工場で各市場に特化した製品ラインアップで生産をしていた。空気圧縮機の省エネルギー化が世界的に高まる中、オイルフリー及び油冷式スクリュ圧縮機のグローバルモデルを開発して上市した。本モデルでは、高性能、耐環境性、静音性を徹底的に追求し、取引先の省エネルギーに貢献できる製品となった。

さらに銅賞は、シンフォニアテクノロジー株式会社のテーマ「社会の安全を支える無励磁作動ブレーキへの集中による事業拡大の取組み」が受賞した。
シンフォニアテクノロジー株式会社では、従来、電磁クラッチ・ブレーキ事業を展開してきた一方、2000年頃より駆動制御の主流がサーボモータへ変遷する中で産業用ロボットに着目し無励磁作動ブレーキの強化に取り組んできた。製品バリエーション展開及び自動化による生産キャパシティー拡大で競争力強化を図るとともに、BCP対応、グループの多様な製品群を活用した新たな製品提案などに取り組むことで、国内大手サーボモータメーカー向けを中心に、無励磁作動ブレーキで大幅なシェア向上を達成した。

これらの表彰案件は、いずれも同社がグループ企業理念に掲げる「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」の実現に貢献していくものとしている。
KOBELCOグループは、今後もグループ企業理念に基づくサステナビリティ経営を推進していく。

※1:田宮嘉右衛門氏(明治8年生~昭和34年没)について
神戸製鋼の生みの親にあたる合名会社鈴木商店に入社し、同社が1905年に小林製鋼所を買収し「神戸製鋼所」に改めた際に、支配人に就任した。その後、1911年に株式会社神戸製鋼所が発足した時、常務取締役に就任し、1934年から1945年まで第五代目の社長を務めた同社育ての親である。
※2:NCチタンは、同社が開発した「Nano-Carbon composite coatチタン」の略称で、燃料電池セパレータに求められる耐食性、表面導電性、成形性等の性能を兼ね備えた表面処理チタン圧延材。
※3:セパレータは、燃料電池内で燃料となる水素や酸素等を流す流路(=細かな溝)を構成するとともに、発生した電気を流す役割を担う板状の部品。
※4:神鋼圧縮機製造(上海)有限公司(汎用圧縮機の製造・販売子会社)



TOP