三菱電機
水面状況監視サービス「みなモニター」受注開始
三菱電機は、ため池などの農業水利施設の維持管理を効率化する水面状況監視サービス「みなモニター」の受注を5月10日に開始する。サービス提供は8月に開始予定。

近年、豪雨や地震などで農業用ため池の決壊が増加しており、災害発生リスクの早期把握等、ため池管理の高度化が求められている。農林水産省では「ため池工事特措法」に基づき、ため池への水位計の設置を促しているが、従来の水位計の設置には基礎や電源などの工事が必要で、設置後も専門技術者による定期メンテナンスが必要となるなど、導入時や維持管理のコストが課題となっていた。また、少子高齢化による人手不足もあり、ため池管理業務においてもさらなる効率化が求められている。

同サービスは、電源・通信・土木の工事が不要で設置も簡単なブイ型水面センサーと、スマートフォン、タブレットなどから遠隔で 24時間、複数のため池の状況確認が可能なアプリケーションにより、農業水利施設などの維持管理業務の課題を解決するとともに、より容易に水面状況監視の導入を実現し防災・減災にも貢献する。

水面状況監視サービス「みなモニター」は、ブイ型水面センサーで取得した水位、水温、水面状況(水面の急上昇や急降下など)のほか、気象関係機関から収集した雨量などのデータをクラウド上のアプリケーションで提供。スマートフォン、タブレットなどから遠隔で 24 時間、ため池の状況や今後の天気の確認が可能となり、効率的なため池の管理に貢献する。

準天頂衛星システム「みちびき」の補正信号を活用し、水位(水面の標高)を±3㎝以内の精度で計測・センサー本体が水面に浮上しているため、地震、落雷や誘雷、水面の浮遊物、池底の泥の影響を受けにくく、安定した計測が可能。また、太陽光発電パネルと蓄電池で作動するため、停電時でも計測可能など、耐環境性・耐災害性に優れ、安心・安全で正確なため池管理を実現する。

ブイ型水面センサーを水面に浮かべ、水中に沈めたおもりとロープで固定するだけで設置が可能。観測場所が変更になった場合の移設も容易に行える。専門技術者による定期的な校正作業も不要で、維持管理コストを安価に抑えることができる。

同サービスは主に自治体に提案し、2025年度までに100市町村への導入を目指していく。



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