ソディック
金属3Dプリンタ用ダイカスト金型粉末素材発売
ソディックは、このほど金属3DプリンタLPMシリーズ用ダイカスト金型向け粉末「SVM(Sodick Versatile steel for Mold)」を発売。多様化する金属3Dプリンタ市場の要求に対応する。

新素材の「SVM(Sodick Versatile steel for Mold)」は、造形中の変形や割れの不具合を防止する独自技術のSRT(Stress Relief
Technology)法に対応し、□200㎜を超える大型ダイカスト金型や金型部品の造形を可能にする。
また、耐熱性を高める組成を添加することで、ダイカスト成形特有課題である耐ヒートチェック性及び耐溶損性を高めている。
SVMを用いることで、ダイカスト金型において金属3Dプリンタ加工の特長である三次元水管構造が採用可能になり、冷却特性の最適化が図れることで、部品寿命の向上や金型のメンテナンス負荷の低減に貢献する。

新素材の「SVM」は、耐熱性素材を適切に配合することにより、圧延鋼SKD61よりも高い耐ヒートチェック性・耐溶損性を実現した。
また、従来のSKD61造形では、造形時の金属溶融・凝固による収縮により、部品内部に大きな引張残留応力が発生。この応力の影響で造形品が大きく変形したりクラックが発生したりと様々なトラブルが生じていた。SVMは、特許技術であるSRT法を使用して残留応力を低減することが可能で、造形中における変形や割れの不具合を防止することができる。

さらに、適切な熱処理を実施することにより、部品の硬度をHRC52~55まで上げることができるほか、また、熱処理時の変形量も低減させており、引張強度や耐力などの強度特性も圧延鋼のSKD61やSTAVAXと同等の値を達成した。これによりSVM造形品はダイカスト金型だけでなく、プラスチック射出成形金型にも適用できる。

金属3Dプリンタにおけるダイカスト金型は、造形品内部の残留引張応力により部品の変形やクラックのリスクがあった。また、SKD61の代わりとして用いられるマルエージング鋼造形品では、ダイカスト金型での使用時におけるヒートチェック発生や応力腐食割れなどによる耐久性の問題が生じていた。これらの課題に対し、新素材のSVMは粉末組成を最適化することでSRT法の適用による大型部品造形への対応と、ダイカスト金型向けの高温特性の向上を両立した。
SVMを、同社が提供する高速・高品質造形が可能な金属3DプリンタのLPM シリーズで運用することで、ダイカスト成形現場におけるダウンタイム削減やメンテナンス負荷の低減に貢献する。



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