三菱電機
AIを用いた「知識探索支援技術」開発
三菱電機は、同社AI技術「MaisartⓇ(マイサート)」を用い、膨大な資料群からキーとなる単語や著者、引用関係、図表における全体と部分の関係情報などを獲得して情報のつながりをグラフ構造で表す知識グラフを自動構築し、入力したキーワードを起点に情報の関連性をたどる「知識探索支援技術」を開発した。必要な情報を素早く網羅的・直観的に把握でき、情報収集時間の大幅削減に貢献する。

あふれる情報の中から自分に必要な情報を見つけるには多くの時間がかかる。知りたい情報、興味のある情報に素早くアクセスするには、資料をあらかじめデジタル化(電子化)しておくだけでなく、資料内あるいは資料間の情報の関係を構造的に管理しておく必要がある。

同技術は、AIにより重要な情報を自動獲得し、また情報間の関係を自動推定することで、様々な資料やデータを構造的にデジタル化する。次に情報の探索時には、帯の太さで関連の強さを可視化することで、例えば入力したキーワードと一番関連が強い人物を特定できるなど、知りたい情報、興味のある情報、これまで気付かなかった情報に素早く直観的に辿り着くことができる。

同技術の開発には2つの特長がある。
1つ目は、知識グラフを自動構築し、さまざまな資料やデータを構造的にデジタル化する。
AIがテキストのみならず図表やプレゼン資料、画像、音声などのデータから、キーとなる単語や著者、引用関係、図表における全体と部分の関係情報などを獲得し、知識グラフを自動構築することで、さまざまな資料やデータを構造的にデジタル化するなど、業界で初めて、図形と文字が組み合わされた資料の解析を実現した。従来、人手で構築していた知識グラフを自動構築できるため、関連性をたどる知識探索をより短い時間で実現でき、低コスト導入が可能。

2つ目は、情報の関連性を直観的に把握することにより、情報収集時間を41.7%削減した。
業界で初めて、サンキー・ダイアグラム(工程間の流量を表現するために用いられるフロー図の一種)の帯とその太さを用いた情報の関連性可視化を実現したことで、所望の情報を直観的に把握可能とし、短時間での知識の探索を支援する。
資料の中身を読まなくても情報の関連性を俯瞰できるため、複数の文書やファイルから特定の文字列を検索する従来の全文検索と比べて、情報収集時間を41.7%削減した。

同社は今後、2027年までの運用開始を目ざし、同社や子会社の三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社において、過去の資料やデータの再活用・部門間相互活用において、知識探索支援技術の実業務への適用と検証を進めていく。



TOP