ソディック
加賀事業所マルチファクトリーが入選
ソディックは、このほど加賀事業所マルチファクトリーが、一般社団法人石川県建築士会が主催(後援:石川県、一般社団法人石川県建築士事務所協会、一般社団法人石川県建設業協会)する「令和3年度(第41回)石川建築賞」において、入選した。
石川建築賞は、地域社会に寄与する優秀な建築作品をたたえ、建築にたずさわるものの自覚を深め、建築物の質の向上をめざし、よりよい生活環境を築き上げることを念願して、その設計及び施工に関与した者を表彰する。
同賞は、応募2作品の中より厳正な審査を経て、ANAホリデイ・イン金沢スカイにおいて表彰式が執り行われた。

今回、入選したソディックの加賀事業所マルチファクトリーは、生産品目を限定することなく、事業環境や市場動向の変化に柔軟にマルチプルな生産体制が整っている。
セル生産での自動組立、IoTを活用した生産・在庫管理で省人化・作業効率向上を図っている。
また、世界同一品質の更なる強化に向けた発信元として海外工場の生産性向上・納期短縮にも積極的に寄与している。

■入選作品概要
作品名(建築物名称):株式会社ソディック 加賀事業所マルチファクトリー
所在地:石川県加賀市
建築主:株式会社ソディック
設計者:清水建設株式会社 北陸支店一級建築士事務所
施工者:清水建設株式会社 北陸支店
※選評
工作機械を生産する企業の敷地内に増設された工場である。工場は生産ラインの効率化や企業規約によりデザインの余地は少なく、建築賞での評価が難しい施設種ではある。にも関わらずこの作品の評価が高かったのは生産システムを設計者が提案して工場の平面計画を飛躍させた点にある。従来の工場では精密機械の試運転に必要な200~600Lという大量の油を手作業で運搬・注入・廃棄を行なっていた。対して本作品では架空配管によって油を循環させ、移動式のポンプユニットを開発することで点在した複数箇所でのユースポイントで油の抽出入を実現した。特許となったこのシステムにより、工場内からは油特有の匂いは消え、平面計画の自由度が増えた。工場の外観は製品デザインと関連性のある色彩でまとめられ、隅部や水切りのディテールは金属サンドイッチパネルを折り曲げ加工して納めている。限られた工期で魅せる工場としての機能美を追求した素晴らしい作品である。(審査委員:福井大学講師 西本 雅人氏)。



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